ロワール川流域を歩く(10) シャンボール城

シャルル一世が建設したシャンボール城。裏側の
ヴューです。

フレンチ・ルネッサンスの傑作と言われる螺旋階段。

当時、ヴァチカンのシスティーナ礼拝堂の天井画、
最後の審判」の製作を巡り、ミケランジェロとの
争いに敗れ失意の儘イタリアを去ったダ・ヴィンチ
が頼ったのがフランソワ1世。

フランソワ1世が彼の建造物を作るに際し、ダ・
ヴィンチの意見を聞いたことはまず間違いない
ところでありましょう。

この内部階段はなんと二重螺旋階段。こういう
発想はダ・ヴィンチによるものに違いないという
話でありますが、残念ながらそれを証明するもの
はありません。

フランソワ1世の居室。意外と質素。それもその筈で、
彼は完成後殆どこの城を利用していません。利用
したのは狩りに来たときだけとか。フランスの内陸
部で、冬季はかなりの寒さになるとか。その割には
開放部分が多く、とても寒くて執務に向かなかった
というのが理由。ある意味、意匠にだけ力を向け、
実用への考慮をしなかった設計ミスとも言えます。

この絨毯は素晴らしい。今これと同等のものはあの
世界一の絨毯制作国イランでも作れないかもね。


(続く)